入間川流域地区活動組織(埼玉県飯能市)

● 活動項目

内水面生態系の維持・保全・改善

● 組織の構成

漁業者、入間漁協、駿河台大学、NPO法人カヌー工房(761名)

● 地域の現状・課題

・入間川は、埼玉県西部の飯能市、入間市、狭山市、川越市を流れ、荒川に合流する一級河川である。

・入間川は、荒川支流としては最長で、江戸時代の頃は大事な船の交通路であった。近年は、川遊び場や地域の憩いの場として多くの住民に親しまれている。また、都市近郊のアユやヤマメ、ニジマス、ウグイ、オイカワなどの釣り場として人気がある。

・しかし、現在、遊漁者の減少、漁協組合員の高齢化、コクチバスの繁殖、カワウによる食害などの影響で、河川の生態系や親水性に支障が生じ課題となっている。

・そこで、漁協・漁業者、大学、市民団体と共同で平成26年度に活動組織を結成し、河川生態系及び親水性の改善を図ることにした。

● 活動の内容

・当該組織の主な活動は、河川清掃による親水性の維持・回復と、河床耕うんによる底生生物環境の改善、河川環境・生態系の理解に係る体験学習である。

・河川清掃は、堤外地の草木の伐採をメインに活動を行っている。

・河床耕うんは、バックホーや人力により耕し、環境の改善を図っている。

・体験学習では、地元幼稚園や小学生を対象にヤマメの放流等を実施している。

河川清掃作業

河床耕うん

体験学習(座学)

体験学習(放流体験)

● 活動の効果

・草木伐採をメインとする河川清掃を行うことによって、遊漁者等の河道への侵入が容易になり親水性が向上した。また、堤外地の見晴らしが良くなったことから、不法投棄等のゴミの軽減にもつながった。

・河床耕うんによって、浮き石の増加や、複雑な立体空間が形成され、底生生物の生息環境が改善されたと考えられる。また、耕うん後のH30年2月に調査を実施したところ、平均5,892個体/m2の水生昆虫が確認され、これら資源量の増加が今後、期待される。

・体験学習などを含めた取り組みによって、漁業者同士の親睦や地域住民等との交流が図れ、河川環境・生態系に関する共通認識が深まっていると考えられ、その成果を、今後、アンケート等で調査したいと考える。