● 地域の現状・課題
- 船橋市地先の干潟及び浅場（三番瀬）を活動場所としている。
- 底質の悪化や青潮の発生、ツメタガイ等による食害など複合的な要因により、アサリ等の二枚貝が減少している。
アサリの経年漁獲量
● 活動の内容
アサリ等二枚貝資源を維持・保全する取り組みとして、以下を行っている。
・機能低下を招く生物の除去（節足類・腹足類）：ウミグモやツメタガイを除去し、二枚貝資源の生息環境の改善を図っている。
・耕うん：底曳網のケタによる耕うんを行い、底質改善を図っている。
・保護区域の設定：アサリ稚貝を食害や秋から冬にかけての減耗（波浪、食害等）から守るため、囲い網を設置している。
・客土：砕石を敷設し、アサリ等の二枚貝が留まりやすい環境を作っている。
・水域の監視：水温、塩分、溶存酸素を調査し、青潮を監視することで干潟環境の保全を図っている。
・多面的機能の理解・増進を図る取組：市内の小学校や漁業になじみのない市民を対象に乗船体験やノリすき体験など教育・学習の取組を通じて水産多面的機能の理解増進を図っている。
活動を実施している海域
小学生を対象とした乗船体験
● 活動の効果
- 令和6年度のモニタリングの結果、アサリの密度は22個/㎡であり、令和5年度（10個/㎡）より増加した。
- 客土を実施した箇所で稚貝増加の効果が継続して出ている。試験操業の結果では成貝がまとまって確認出来ており、将来的に漁獲に繋げることが可能かと思われる。
- 教育・学習の取組によって参加者の船橋の漁業に対する認知度が向上した。
- 今後も保全活動を継続し、二枚貝類が豊富に生息する干潟環境を目指す。
