● 地域の現状・課題
- 城ヶ島は三浦半島の南端に位置する、周囲長4kmほどの島である。
- 島の沿岸では刺網、見突き、素潜りなどの漁業が営まれており、アワビ、サザエ、イセエビ、カワハギなどの磯根資源が主な漁獲物となっている。
- しかし近年、アイゴやガンガゼの食害による磯焼けが発生した。
- 磯根資源に依存する島の漁業にとって、磯焼けは深刻な問題であり、平成25年度に当該組織を設立し、藻場の保全活動を開始した。
カジメの食害とアイゴの増加(令和元年度の本事業講習会資料より)
● 活動の内容
- 活動の主な目標は、
①食害生物(ウニ・魚類等)の除去による藻場の保全
②効率的な食害魚類除去手法の確立
であり、主な取り組みとして、魚類の除去(6~7月)、ウニ類の除去(9~10月)、潜水によるモニタリングを実施している。 - 魚類の除去は、主にアイゴを対象にしている。刺網で行っており、1回当たり2,400m(60m×40反)の網を設置している。
- ウニ類の除去は、見突き漁によってガンガゼを水中で駆除している。
魚類除去の刺網投入
見突き漁によるガンガゼの駆除
潜水によるモニタリング
● 活動の効果
- アイゴやガンガゼの除去を行ったことにより、藻場は回復傾向にある。
- アイゴを除去したことにより、カジメの生長点まで失う食害は無くなり、ガンガゼを除去したことにより、ガンガゼの生息密度は減少した。
- アイゴを除去するのに効率的な漁具・場所が選択できており、平成26~30年度には1年間に約500~1,200個体、約300~600kgのアイゴが除去された。
- 漁業者の意識も高まり、これまでは漁獲時に生きたまま放流していたアイゴも除去するようになった。
- 今後も活動を継続し、藻場の保全を図りたい。
回復傾向にある藻場
刺網により除去したアイゴ