江ノ島・フィッシャーマンズ・プロジェクト(神奈川県藤沢市)

● 活動項目

藻場の保全 他

● 組織の構成

漁業者、江ノ島片瀬漁協、ダイビングショップ、湘南アウトリガーカヌークラブ 他(260名)(サポーター:サポート専門家)

● 地域の現状・課題

  • 江ノ島は三浦半島西側の根本付近に位置しており、湘南海岸から相模湾へと突き出た陸繋島である。
  • 湘南を代表する景勝地であり、古くから観光名所として親しまれている。
  • 近年、江ノ島周囲では藻場の衰退や海底ゴミの堆積が問題となっていたことから、藻場の保全や海底清掃の活動を実施することにした。

モニタリングの様子

● 活動の内容

  • 当該組織は、漁業者のほかに、ダイビングショップ、水族館、マリンレジャー団体などから構成されており、構成員には多くのダイバーが含まれている。
  • そこで、潜水を主体とした藻場の保全活動や海底清掃の取り組みを実施している。
  • 藻場の保全
    母藻設置:ワカメを付けたロープやカジメのスポアバックを海底に設置しているほか、カジメ成体を海底に移植している。
    種苗投入:カジメの種苗を付着させた石やネットを海底に設置している。
  • 海底清掃
    年間に5~10回程度、潜水による海底清掃を行っており、平成28~30年度には年間に530~650kgほどのゴミを回収した。

海底に設置したワカメロープ

ネットから生長したカジメの幼体

海底清掃の様子

回収したゴミの分別

● 活動の効果

  • 母藻設置としてワカメロープを設置したことにより、ワカメの藻場が毎年形成されるようになった。
  • カジメについても徐々に残存する個体が見られるようになってきたが、魚類による食害などの問題も発生している。食害防止網を設置するなど、問題に対しては対策を講じながら活動を行っている。
  • 他にも、12月、2月には、一般市民が参加できる「海藻シンポジュウム」を開催しており、好評を得ている。藻場のミニ講義や漁師やダイバーとの質問タイム、ワカメの刈り取り体験などを通して、漁業や藻場保全などの普及・啓発につながっている。

形成されたワカメ藻場

食害防止網の設置(カジメ種苗の石)

海藻シンポジュウムの様子