諸磯藻場保全活動組織(神奈川県三浦市)

● 活動項目

藻場の保全

● 組織の構成

漁業者、諸磯漁協、ミウラダイブセンター(19名)(サポーター:神奈川県、中央水産研究所)

● 地域の現状・課題

  • 三浦市は三浦半島の最南端に位置している。諸磯地区は三浦市の南西部にあり、相模湾に面している。
  • 当地区では、20年ほど前からカジメの磯焼けが確認され始め、10年ほど前からカジメの減少が加速している。
  • 特にアイゴなどの植食性魚類による食害が問題となっており、藻場減少の要因の一つとなっている。
  • 活動の課題は
    ・磯焼け箇所の藻場の再生
    ・食害魚類からのカジメの保護
    ・食害魚類の駆除
    であり、課題に対応した藻場の保全活動を実施している。

食害を受けたカジメ藻場

● 活動の内容

  • 藻場の再生として、カジメ種苗を付けたブロックやカジメのスポアバッグの設置を行っている。
  • 食害魚類からの保護として、食害防護柵の設置を行っている。
  • 食害魚類の駆除として、刺網による駆除を行っている。
  • その他にも、食害生物となるガンガゼの除去なども実施している。

カジメのスポアバック設置状況

カジメ種苗ブロックの作成(遊走子液への漬け込み)

設置した食害防護柵(中のカジメのみ生残した)

刺網で除去したアイゴ

● 活動の効果

  • 平成29年度から平成30年度にかけてはカジメ類の被度の増加が見られたが、令和1年度には減少してしまった。食害魚の食圧増加のほかにも、高水温の影響なども考えられ、原因の追究が必要である。
  • 当海域のカジメは、当歳で成熟して再生産した後、食害により消失するが、翌春には幼体が生長するという特殊な群落であり、当歳の成熟カジメを移植することで藻場の拡大を図りたい。
  • 活動を通して漁業者の意識も高まっており、刺網操業時のアイゴの漁獲情報などが報告されるようになった。
  • 今後も活動を継続するともに、他組織の事例なども参考にしながら、藻場の保全を図りたい。

モニタリングの実施状況