滑川高校海洋科海洋クラブ(富山県滑川市)

● 活動項目

藻場の保全

● 組織の構成

滑川高校生徒、教職員(海洋科、実習船)(132名)

● 地域の現状・課題

  • 滑川市は富山県東部に位置しており、富山湾に面している。
  • 当該組織は、滑川高校の海洋科生徒が主な構成員となっており、藻場の保全活動や種苗放流、植林活動などの水産多面的な取り組みを実施している。
  • 滑川高校の近くにある高月海岸は、かつてはテングサ場やアマモ場が確認されていたが、磯焼けが進行し藻場面積は減少傾向にある。
  • 水産資源の増加を目標に、ダイビング技術を使った藻場の保全活動などの取り組みを実施している。

母藻の取り付け

海藻ロープの設置作業

● 活動の内容

  • 平成19年から30年までアマモの定植活動を行ったものの、定常的なアマモ場の回復には至らなかった。かつては、苗を地元小学校で育て、生長したアマモを高校生が定植したりもした。小学校への出前授業なども行ってきた。
  • 地域にある地先の高月海岸が長い時間をかけて藻場面積を減らしてきている原因は荒天時に起きる「寄り廻り波」である。これに対応するため、海藻ロープで藻場回復を目指す取り組みは令和元年から継続しており、その成果が期待される。
  • 食害生物となるウニ類の除去、中間育成したアワビ種苗の放流などの活動も実施している。

海藻類が生息する岩場に砂がかぶる

ウニの除去

● 活動の効果

  • 藻場面積の算定には苦慮している。高月海岸では夏季に近づくころに海藻類の繁茂は最大になるが、夏に枯れて寄り廻り波が海域の岩礁帯の上に砂がかぶる。四季を通じ多様な様相をみせる。
  • ダイビング資格を持つ高校生にとっては、本活動が環境学習の実践の場となっており、四季の変化を捉えながら海洋植物への理解の深化や、藻場保全に対する意識の向上につながっている。
  • 気候変動による海洋環境の変化は漁獲される魚種に表れ始めている。藻場回復が容易ではないこの海域で、あらゆる方法を否定せず息の長い活動になるよう精進していきたい。

気候変動とブルーカーボンを学習する

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