● 地域の現状・課題
・当該組織が保全の対象とする神通川は、岐阜県の飛騨山脈から富山湾に流れ込む一級河川である。
・神通川は、サクラマスの好漁場として古くから知られ、市街地周辺にはマス寿司店が軒を並べる。
・しかし、近年、地域の重要な資源であるサクラマスの漁獲量が大きく減少した。その理由は、ダムや堰堤の建設による川の連続性の喪失が大きく影響している。
・サクラマス資源の再生には、川の連続性を確保するなどの環境整備やサクラマスの保護・増殖が必要で、それを促進するためにも地域の特産物としての一般市民の幅広い理解と支援が求められる。
普及・啓発目的で製作したサクラマスの絵本
● 活動の内容
・当該組織では、サクラマスを象徴として、神通川河口前面の海岸及び河川堤内地の清掃、小学生児童やマス寿司店等を対象にサクラマスのふ化観察体験など、幅広い取り組みを多くの市民を巻き込み実施している。
河川一斉清掃の模様
観察体験に係る座学
ふ化観察用ペットボトル
● 活動の効果
・河川等の清掃については、堤内地に堆積するゴミや不法投棄の回収を、市民ボランティア参加のもと、毎年総勢200~300名で実施している。その活動により、河川環境や海洋環境に対する市民の意識啓発につながっている。また、不法投棄や漂流ごみが年々減ってきており、その効果を実感している。
・サクラマスふ化観察体験では、漁協の施設で採卵した発眼卵をペットボトルに入れ、児童等に配布・観察してもらっている。アンケート調査のコメントでは「卵の変化・仔魚の成長」「仔魚への愛情」「観察回数のこと」など様々な反応があり、サクラマスを身近に感じてもらっている。