● 地域の現状・課題
国分海岸は、昔から藻場が広がり、多くの魚貝類を育んできた。また、地域特産物であるところてんの材料として、テングサが漁獲されていた。
しかし、15年ほど前から藻場の海藻が減り始め、近年では岩礁帯に海藻がほとんどなく岩肌が白く見える「磯焼け」の状態となっていた。
魚貝類の資源を増やすために、漁業協同組合と地域の住民が一体となって藻場の再生を図り、海の環境回復と魚貝類の生態系回復を目指すことを目的として立ち上げた。

事業開始時の海底の状況(H27)
● 活動の内容
この事業の開始当初は、藻類の根付く環境整備のため、漁礁ブロックや石を海底に投下した。現在は以下のことを継続的に実施している。
- 栄養塩の供給:高岡市に所在する(株)グリーンカルチャアの開発した低質改良剤を海底に散布し、藻場の環境改善を図っている。
- モニタリング:計画区域7ha内に設定した5定点を調査。海底のテングサ等藻類の繁茂状況を調査している。
なお、令和7年度からは計画区域を拡張し、クロダイ稚魚の放流と藻類を食害するウニの駆除を活動計画に追加して申請している。

ミネラル塩の散布(R6)

モニタリング調査点の藻の状況(R6)
● 活動の効果
令和6年度にウニが大量発生して海藻が減少してしまった調査点もあったものの、各地点で次第にテングサ、ホンダワラ等の海藻が成長している。

ウニの大量発生した海底(R6)

国分の岬藻場再生会の会員集合写真(R6)