● 地域の現状・課題
- 七尾湾は能登半島の中部東側に位置しており、能登島によって北湾・西湾・南湾に分かれている。
- 七尾湾はトラフグの産卵場として知られており、七尾湾沿岸のトラフグの漁獲量は年間4トン前後で推移していた。
- しかし、近年はトラフグの資源量が減少傾向にあり、回復へ向けた対策が求められた。
- そこで、七尾湾における生態系の維持・保全を図ることを目的に、トラフグの種苗放流を実施することにした。
放流するトラフグ種苗
● 活動の内容
- 活動範囲は七尾湾全域としており、毎年20,000個体前後のトラフグ種苗を放流している。
- モニタリングによる放流個体の確認を行うため、種苗の何%かには鰭カットによる標識付けを施している。平成29~30年度には、放流した19,000個体の約12~19%(2,300~3,600個体)に鰭カットを行った。
- モニタリングは、延縄による採捕調査(標本船調査)や市場調査を行っており、採捕個体数や標識個体の有無を確認している。
トラフグ種苗の搬入
鰭カットによる標識付け
● 活動の効果
- 採捕調査や市場調査では、放流している標識個体が確認されており、活動による一定の効果が表れているものと考えられる。
- トラフグ種苗の搬入や標識付け、放流等の技術が向上しており、種苗へのダメージは年々軽減している。
- 今後も活動を継続するとともに、七尾湾および周辺海域におけるトラフグの漁獲動向や放流種苗の動きを把握し、トラフグの資源回復を図りたい。
トラフグ種苗の放流
市場調査の様子