● 地域の現状・課題
- 安宅地区は石川県南部に位置しており、日本海に面している。そばには一級河川である梯川が流れており、北側10kmほどの場所には手取川もある。
- 地区では刺網や小型定置網、イカ釣りなどの漁業が営まれているが、近年は河川からの濁水の流入による環境悪化などの影響で水揚げ量が減少している。
- 特に、水揚げの主体となっていたヒラメ資源の減少が問題となっており、対策が求められた。
- そこで、当該組織を設立し、ヒラメ資源を保全するための活動を実施することにした。
● 活動の内容
- 活動の目的は、ヒラメ資源量の回復であり、ヒラメの種苗放流と海岸清掃等による生息環境の保全を行っている。
- ヒラメの種苗放流は、環境教育もかねて地元の子供たちと協同で行っており、毎年7月に4,000匹程度を放流している。
- 清掃活動は、安宅海岸や安宅漁港で行っており、漁業者だけでなく一般市民も参加して実施している。
- また、モニタリングとして、一定時間の操業で漁獲されるヒラメの採捕量等を記録している。

ヒラメの放流作業

海岸の清掃活動
● 活動の効果
- ヒラメの資源量が徐々に増加しており、活動の効果が表れ始めていることを漁業者自身が実感している。
- 環境条件の影響を受けることもあり、モニタリングによる明確な成果はまだ得られていないが、活動を継続することにより、成果を明らかにする必要がある。
- 清掃活動に参加する人が年々増加しており、活動の認知度が高まっている。また、活動の甲斐があり、海岸のゴミも少なくなってきている。
- 活動を一般市民や子供たちと協同で行うことにより、漁業や環境保全活動の普及・啓発につながっている。

モニタリング(ヒラメの採捕・計測)

海岸清掃の前後の様子