● 地域の現状・課題
- 当会が活動を行う「大日川」は、手取川水系の標高500~700mの渓流で、大日ダム上流端から25kmが対象区域である。
- かつては、アユ釣りが盛んであったが、ダム湖に生息するオオクチバスやコクチバスの食害が大きく、現在は低迷している。
- また、大日川を代表する魚「カジカ(ゴリ)」が、山林の荒廃や、砂防堤・河川沿いの道路工事によって河床の浮き石がなくなり、数を減らし大きな課題となっている。
- そこで、ゴリの復活を目指して、平成25年度に漁協組合員と地域住民を主体とする新丸「大日川流域」を守る会を設立した。
● 活動の内容
- 当会では、ゴリの復活を目指し、①河床耕うん、②種苗放流を行っている。また、投棄されたゴミや流木の除去などの河川清掃も併せて実施し、河川環境の改善を図っている。
- 河床耕うん:河床耕うんは、ゴリの産卵や生息環境として重要な「浮き石」の場をつくり・維持する目的で実施する。
- 種苗放流:数が減ったゴリの増殖を図るために、本種の種苗を放流し、その資源量を回復・維持する。
- 河川清掃:河川区域内に投棄された人工ゴミや流木を回収し、河川環境の維持保全を図る。
● 活動の効果
- 河床耕うんを行い、3ヶ年に亘ってゴリを18,000尾放流した結果、本種の確認尾数が年々増加している。
- 活動を通して、地域間の交流の機会が増え、流域住民の活動に対する理解と関心が高まっている。
- また、河川環境の保全に係る共通認識をもった漁業者や地域住民が集まり当会を設立したことで、前述した活動の他、定期的な河川の巡回が行えるようになり、河川環境の状況を十分に把握できるようになった。
- 今後も引き続き活動を展開し、河川環境の維持保全に努めたいと考える。