● 地域の現状・課題
・陸前高田市は岩手県の最南東に位置しており、広田湾は陸前高田市の東部から南部にあり、太平洋に面している。
・東日本大震災後の平成23年以降からムラサキウニが増え始め、藻場の減少が目立ってきた。
・藻場面積は、震災前が290㏊だったのに対し、令和2年は41㏊となり、約86%もの藻場が消失したことから、令和3年3月に活動組織を設立し、海中林の設置による藻場の保全活動を開始した。
藻場保全の活動範囲
● 活動の内容
・母藻の設置方法としては、ロープの隙間にコンブの種苗を挟みこみ、ロープの両端に浮きと錘を付けたものを海中に設置することで、海域の中層に漂う海中林を配置する。
・これにより、ウニの食害から母藻を守りつつ、海域中層からの胞子の放出による海底における海藻の自生の促進を進めている。
コンブ種苗の挟みこみ
海中林の設置
● 活動の効果
・令和4年度のモニタリングの結果、5定点での海藻の成育は良いようであるが、これが海中林の設置によるものなのか、春先に久しぶりに冷水帯の流入があったおかげによるものなのかの判断は難しいところである。
・このため、来年度以降も海中林の設置による藻場の保全活動を継続して実施し、経過を注視していく必要があると考えている。
モニタリングの実施状況