飯伊水産多面的機能発揮対策事業活動組織(長野県飯田市)

● 活動項目

ヨシ帯の保全

● 組織の構成

漁業者、下伊那漁協、(株)天龍、(株)飯田まちづくりカンパニー、天竜川総合学習館かわらんべ 他(4135名)

● 地域の現状・課題

  • 当該組織が活動を実施している、天竜川は長野県から愛知県、静岡県を経て太平洋へと注ぐ一級河川である。
  • 近年は、魚類や餌生物などの生息場所となるヨシ帯が減少し、さらには外来植物のアレチウリが繁茂してヨシの成育を妨げ問題となっている。
  • そこで、河川環境の保全を図るとともに、地域住民に河川の現状を知ってもらい、地域一体となった取り組みを目指すことにした。

アレチウリの繁茂状況

● 活動の内容

  • ヨシ帯の保全を図るため、天竜川支流の松川(通称:飯田松川)の2か所の区域において、ヨシ帯の刈り取り・間引きのほか、アレチウリ・ハリエンジュなどの除去を行っている。
  • また、地域住民に河川の状況に関心を持ってもらい、川の環境やヨシ帯の役割、保全活動などについて理解増進を図るために、親子参加型の体験学習会を開催している。
  • 体験学習会では、アレチウリの生態や被害実態、駆除方法などについての講習会のほか、魚釣り体験(ニジマス)を行っている。

植物の刈り取り・間引き作業

アレチウリの抜き取りと搬出作業

● 活動の効果

  • 活動を行ったことによりヨシ帯は良好な状態が維持されており、非活動区域と比べても高い被度を示した。
  • 平成28年度から令和元年度にかけてヨシ帯の平均被度は55%から65%に増加した。
  • アレチウリの被度は作業後には5%未満にまで減少した。作業実施前の繁茂状況についてもの被度50%(平成27年度)から30%(令和元年度)に減少しており、除去活動の成果が表れている。
  • 体験学習会を開催したことで、川に対する関心が高まり、多くの理解が得られている。また、子供だけでなく大人も参加することで本活動についての普及啓発につながっている。

活動内容を紹介したパンフレット