● 地域の現状・課題
・常滑地区は知多半島西部に位置しており、伊勢湾に面している。
・地区では、水流噴射式桁網を使用した採貝漁業が営まれてきたが、近年、アサリが激減し、この4~5年はアサリが水揚げされていない。
・アサリ稚貝の加入はあるものの、冬を越せない状態が続いている。アサリ資源の回復を妨げる要因としては、ツメタガイやホトトギスガイ、ヒトデ類などの食害生物による影響や、波浪による砂泥の移動など、様々な要因が懸念されている。
活動海域
● 活動の内容
・アサリ等の二枚貝類の回復を目的に、平成25年度に当該組織を設立した。
・曳網による有害生物の除去をメインに活動を展開している。平成29年度には砂泥の移動防止のために被覆網の設置も行った。
・その他、底質の異常や堆積物の発生などの問題が生じた時は、適宜、耕うんや除去作業を実施している。
曳網による生物除去
除去したツメタガイ
モニタリング
モニタリング(潜水)
● 活動の効果
・活動によって、二枚貝類の生息密度が、1m2当たり195g(平成28年度)から321g(平成29年度)に増加した。
・しかし、依然として二枚貝類の回復には至っておらず、引き続き活動を継続させる必要がある。
・当該地区における二枚貝類の資源回復は、劣化した干潟機能(水質浄化や生物多様性の向上)の再生・向上を図る上でも重要である。今後も、資源回復に係る効果的な対策を検討しながら、活動を進めていきたいと考える。
二枚貝類の現存量の推移