蒲郡市漁場環境保全協議会(愛知県蒲郡市)

● 活動項目

干潟等の保全

● 組織の構成

漁業者、蒲郡漁協、三谷漁協、西浦漁友会、三谷水産高校、西浦小学校 他(937名)

● 地域の現状・課題

  • 蒲郡地区は愛知県の南東部に位置し、三河湾に面している。
  • 1950年代以降、三河湾では埋め立て等により、アマモ場やアサリ等二枚貝が激減したため、当地区では平成9年以降、アマモ場再生に取り組んできた。
  • その後、平成21年から「環境・生態系保全活動支援事業」を活用し組織を設立し、藻場・干潟の保全活動を本格化し、現在は「水産多面的発揮対策事業」を活用しながら、活動を推進している。

● 活動の内容

  • アマモ場および干潟を維持・回復させることを目的に保全活動を展開しており、その他にも地元小学校と連携した教育・学習活動を実施している。
  • アマモ場の保全活動としてアマモの播種を行っており、6~8月に採取・選別した種子をゾステラマット法により播種している。
  • 干潟の保全活動として、二枚貝を食すツメタガイやその卵塊を除去しているほか、重機を用いた耕うんも行っている。
  • 教育・学習活動では、1~6年生の「海の学習」を体系化しており、磯遊び体験やゾステラマットの作成、漁業者へのインタビュー活動など、学年に応じた活動を実施している

アマモの花枝採取と種子の選別

ゾステラマットの作成と干潟の耕うん

● 活動の効果

  • 播種したアマモは順調に生長していたが、夏季の高水温や台風の影響により激減してしまった。
  • 造成したアマモ場の安定維持に課題があり、適地の厳選や、種子の流出防止策、砂面変動の防止策などを検討し、効率的な造成手法を試行する必要がある。
  • 干潟の保全活動を行ったことにより、アサリなど二枚貝は890g/㎡(平成28年度)から1,300g/㎡(平成29年度)に増加した。
  • 海の学習活動を通じて、漁業者と小学生など地域とのつながりが深まるとともに、地域の海を意識する小学生が増えてきている。
  • 今後も、保全活動及び教育・学習の取組を継続し、藻場・干潟の保全が地域の取り組みとして定着することを目指し、活動を進めていく。

播種したアマモの草丈と株数の推移

小学生の磯遊び体験や漁業者へのインタビュー活動