矢作川の環境を守る会(愛知県豊田市)

● 活動項目

内水面生態系の維持・保全・改善

● 組織の構成

漁業者、矢作川漁協、矢作川森林塾(330名)(サポーター:豊田市矢作川研究所)

● 地域の現状・課題

  • 矢作川は、岐阜県から流下し、豊田市内を流れ、三河湾へ注ぐ一級河川。
  • 当会が活動を行う豊田市内の河川区域には、アユやオイカワ、ウグイなどが生息しており、支流にはアマゴもくらす。管内の3箇所には、アユ漁を行う簗(やな)があり、現在は市の観光資源となっている。
  • 近年(2007年頃から)、市内の下流域では南米原産のオオカナダモが大量に繁茂するようになり、アユの餌となる付着藻類の生育を阻害し、悪影響を与えている。
  • そこで、2010年から組織的にオオカナダモの除去を開始し、2013年に当会「矢作川の環境を守る会」を発足し、活動を続けている。

アユ釣りを楽しむ遊漁者

● 活動の内容

  • 当会の活動の目的は、大量繁茂するオオカナダモを除去し、アユ等の在来魚介類の良好な生息環境を維持保全することである。
  • オオカナダモの除去は、アユの遊漁期間外の晩秋から初冬にかけて行う。除去の方法は、浅い場所は手作業、深い場所は重機を用いることにしている。除去したオオカナダモは、しばらく乾燥させ、適正処分する。
  • オオカナダモの除去活動の他にも、河川敷の清掃や稚アユの放流体験会を併せて実施し、景観の維持や、地元児童や保護者の河川環境の保全に関する意識啓発を図っている。

オオカナダモの除去作業(手作業と重機)

河川敷の清掃活動(草刈り)とアユの放流体験

● 活動の効果

  • ドローン等を使って把握したオオカナダモの繁茂面積は、平成30年度は100㎡未満となった。活動当初2010年の1,300㎡に比べると、大幅に減少させることができた。
  • ただし、オオカナダモの繁殖力は旺盛なので、今後も継続的に除去活動を行い根絶を目指していきたいと考える。
  • 現在、矢作川にはアユ釣りを楽しむ遊漁者が約12,000人以上訪れている。オオカナダモの除去活動に加えて実施する河川敷の清掃活動は、こうした遊漁者や地元住民・子どもたちの親水性の確保に大きく寄与しており、今後も活動の継続が求められる。