巴川環境保全会(愛知県豊田市)

● 活動項目

内水面生態系の維持・保全・改善

● 組織の構成

漁業者、巴川漁協、東部巴川漁協、足助観光協会、(株)三州足助公社(659名)

● 地域の現状・課題

・巴川は、愛知県にある巴山を水源に、一つは一級河川の矢作川、もう一つは豊川に分かれ注ぐめずらしい川である。

・川の代表的な魚種は、アユ、アマゴ、コイ、フナ、オイカワ、ウナギ、ニジマスであり、アユについては産卵場の保護を行っているものの、資源が増えず、現在、釣り人は減少傾向にある。また、次世代を担う子どもたちの川離れも深刻化しており、河川環境やそこで暮らす生き物の保全などに関する普及・啓発も課題となっている。

・こうした背景から、まずは川の魅力を伝えるための親水性の確保や不法投棄対策を目的に、平成28年度に当該組織を漁業者主体で設立し、保全活動を展開することにした。

● 活動の内容

・当該組織が行う保全活動は、河川清掃と体験学習会の開催である。

・河川の清掃は、草木の刈り取りをメインとしており、人が近づきやすく、楽しく釣りができる環境づくりを行っている。また、堤内地に堆積する人工ゴミの回収も並行して実施している。

・体験学習会の開催では、保全活動のシンボルであるアユの放流体験を、講話とともに行っている。

体験学習会の様子

● 活動の効果

・河川清掃は、毎年8~9つの地区で広域に、年間延べ400名で活動を実施することができた。

・河川清掃によって、川に近づきやすくなったり、釣りがしやすくなったり、また景観美化につながったりしたことで、釣り人、川原でのバーベキューや川遊びする人が増加し、親水機能の向上が図れた。

・体験学習会は、28年度は小学校1校24名の参加であったが、29年度は3校97名に増加し、多くの子どもたちに川の魅力や生き物の大切さを伝えることができた。

・今後も活動を継続し、多くの人に巴川の魅力を知ってもらい、河川環境の保全について理解を深めていきたいと考える。

河川清掃(草木の刈り取り)