● 地域の現状・課題
・一色干潟は、三河湾北西部に位置しており、矢作川水系の河口部周辺に広がっている。
・地区では、腰マンガおよび噴流式桁網による採貝漁業が盛んである。
・しかし、二枚貝類へのウミグモの寄生が確認された平成27年頃からアサリの漁獲量が減少した。そして、平成28、29年にほとんど水揚げされなくなり、大きな課題となった。
・そこで、アサリなどの二枚貝資源の再生を目的に当該組織を設立し、干潟の保全活動を展開することにした。
腰マンガによる採貝漁業の様子
● 活動の内容
・現在行っている主な活動は、ウミグモの除去である。
・二枚貝類に寄生したウミグモは、繁殖期になると貝から離れて自由生活を行う。そこで、繁殖期に網目の細かい桁網を曳網し、ウミグモを採取し、適正処分している。
・同時に、ツメタガイやヒトデ類など二枚貝類を食す生物や、干潟機能を劣化させる死殻なども入網するため、これらも併せて除去している。
使用した桁網
ウミグモ除去状況
①除去した有害生物や死殻
②除去した有害生物や死殻
● 活動の効果
・活動を行ったことにより、ウミグモやツメタガイ、ヒトデ類は、近年、減少傾向にある。
・しかし、依然として二枚貝類の回復には至っておらず、引き続き活動を継続させる必要がある。
・また、矢作川では平成29年度より、11~3月に下水処理水のリン濃度を通常の2倍で放流している。リンの増加に伴い、二枚貝類の餌料(植物プランクトン)が増え、成長が良くなることに期待したい。
除去したウミグモ