百瀬水と暮らし保全会(滋賀県高島市)

● 活動項目

干潟等の保全

● 組織の構成

漁業者、百瀬漁協、地域住民(23名)

● 地域の現状・課題

  • 当会の活動拠点である滋賀県高島市の知内地区は、琵琶湖の北西部に位置し、知内川と百瀬川が流下する。
  • 川の河口部ではアユを対象とした簗漁、湖岸ではエリ漁や追いサデ漁などの伝統漁が現在も営まれているが、近年は漁獲量の減少が続いている。
  • また、琵琶湖の重要な水産資源であるアユを維持保全するため、知内川の下流部は産卵場として保護水面に指定されているが、最近の土砂の堆積や密漁でその機能が劣化している。
  • 加えて、漁業者の高齢化や減少により、伝統漁の継続や、また河川や湖岸の環境や景観の保全が困難になってきており、その継承が大きな課題となっている。

● 活動の内容

  • 当会は、特に地域の重要水産資源であるアユの維持保全を図るために、平成25年度に漁協及び漁業者が主体となり設立した組織である。主な活動の内容は、以下に示したとおりである。
  • 河床の耕うん:アユの産卵を助長するために、知内川の河口部にある産卵場の河床を重機を用いて耕うんする。
  • 保護区域(産卵場)の監視:産卵のために河口部に下ってくるアユの密漁を防ぐために、8月~11月にかけて密漁者の監視活動を行う。
  • 清掃活動:河川や湖岸の景観を保全する目的で、草刈りやゴミの除去を実施。景観が良くなることで、密漁の抑止にもつながる。

● 活動の効果

  • 河床耕うんによるアユ産卵場への効果は、平成28年度は指数が2.97で高い値を示したが、29年・30年度は産卵期に台風が襲来した影響で0.5未満と低い値に留まった。
  • 琵琶湖では、近年、アユの産卵量が低下しおり、湖全体での課題である。河床耕うんによる産卵場の改善は、気象条件が良ければ一定の効果が得られることから、今後も引き続き活動を展開していきたい。
  • また、アユの産卵期に保護水面で監視活動を継続的に実施した結果、地域住民のアユや川・湖への関心が高まり、密漁の抑止につながった。また、清掃活動を行ったことで、ゴミの不法投棄も減っており、今後も活動を継続し、後世に継承していきたいと思う。