野洲川の環境を良くする会(滋賀県甲賀市)

● 活動項目

内水面生態系の維持・保全・改善

● 組織の構成

漁業者、土山漁協、地域住民(31名)

● 地域の現状・課題

  • 当会の拠点である甲賀市土山地区は、滋賀県の南東部に位置し、鈴鹿山脈の裾野が広がる。
  • 管内には、びわ湖に注ぐ野洲川が流れ、地区はその中上流部に位置する。
  • 近年、山間部の荒廃により、河川に土砂が流れ込みやすくなっており、河川区域内は土砂の堆積による通水能力の低下や草木の繁茂による環境の悪化が進行している。
  • また、観光客による河川へのゴミの投棄なども問題になっており、その対策が求められる。

● 活動の内容

  • 当会は、野洲川の自然に対して地域住民が親しみやすさと快適性を感じ、河川環境の保全への興味を喚起することを目的に、漁協と漁業者が中心となって平成25年度に設立した。活動の内容は、以下に示したとおりである。
  • 河川清掃:河川区域の24.5haにおいて、草刈りとゴミの回収を毎年定期的に実施している。
  • 水生生物のモニタリング:活動区域内に13地点の定点を設け、水生昆虫の生息状況を定期的に観察し、河川環境の監視を行っている。

● 活動の効果

  • ここ3ヶ年の活動区域内の人工ゴミの量は、横ばいで推移するが、自然ゴミは増加する傾向にある。この増加は、最近の度重なる台風襲来による流木などの堆積が影響した。近年の異常気象で、大型台風の襲来や発達した前線が頻発化していることから、今後、荒廃した山林への対策が求められる。
  • 水生昆虫のモニタリング調査の結果については、水質階級I(きれいな水)にあたる水生昆虫の個体数がここ3ヶ年漸増している。このことから、河川環境は良好に維持保全されていると思われる。今後も調査を継続し、河川環境に異常がないか監視していく予定にしている。