京の川の恵みを活かす会(京都府京都市)

● 活動項目

内水面生態系の維持・保全・改善

● 組織の構成

漁業者、賀茂川漁協、京淀川漁協、保津川漁協、宇治川漁協、京都府内水面漁連、京都市森林組合、淀川河川レンジャー 他(490名)

● 地域の現状・課題

  • 京の川の恵みを活かす会は、京都市を流れる淀川水系の鴨川流域で活動を行う組織。
  • 鴨川は、祇園など京都の中心部を流れる川で、古くから京都のまちの人々の暮らしを支えてきた。
  • 一方で、度々氾濫を繰り返す川として恐れられ、平安時代以降、治水工事が進められてきた。また、昭和10年の大水害により大規模な改修が行われ、アユなどの魚の移動を阻害する多くの落差工が整備された。また、治水のために州の除去(河床整正)が行われるなど川が単調化し、ゴリ(カワヨシノボリ等)の産卵床が消失するなど、生物多様性が劣化している。
  • 加えて、川の恵みを利用し・それを守ってきた漁協は、漁業生産量の低下や遊漁者の減少により経営が悪化している。

● 活動の内容

  • 会の活動は、(1)川の流域に健全な生態系が確保されること、(2)川の漁業が活性化し、水産資源が活用されること、(3)自然の恵みを気遣う暮らし・築く活動が定着することを目標に、多様な主体が連携し様々な取り組み・発信を行っている。

● 活動の効果

  • 簡易型魚道づくりの取り組みで、鴨川流域でのアユの遡上範囲が年々広がり、現在は賀茂大橋上流でも確認できるようになった。
  • ゴリ産卵床づくりでは、石の裏に卵がみられるなど、その効果が認められた。
  • 「自然環境を気遣う暮らし」の啓発や「自然の恵みを活かす生き方」の発信は、毎年一般参加を募り開催するフォーラムで行っており、毎年、参加者の量・質が向上している。また、「鴨川納涼祭り」へのパネル展示による幅広いPRや、鴨川の魚を味わう「食味会」など積極的な教育・啓蒙活動を継続的に展開している。