室津地区豊かな海づくり活動組織(兵庫県たつの市)

● 活動項目

干潟等の保全 他

● 組織の構成

漁業者、室津漁協、漁協女性部(158名(令和3年度現在))

● 地域の現状・課題

  • 当地域は兵庫県の西播地域に位置し、千種川と揖保川から注がれる豊かなミネラル分を多く含む水が栄養塩を育む豊かな漁場と、風光明媚な海岸線を有する播磨灘に面しています。
  • 主な漁業種類は小型底曳網漁業、船曳網漁業、カキ養殖で、四季折々に様々な水産物が水揚げされ、大半の組合員が複数の漁業を多角的に営んでいる漁村です。漁船漁業により漁獲される魚種は、シラス、イカナゴ、サワラ、シタビラメ、シラサエビ、ワタリガニ等50種類を超えます。また、カキ養殖と併せてアサリ養殖も行われており、味・身入りともに良い養殖アサリとして人気が高まっています。
  • 近年の温暖化や貧栄養化等により海域環境が変化しています。また、海底のヘドロ化や貧栄養化の解消を図り、海域の生物生産性・多様性を向上させる必要があります。

活動を行っている海域

養殖カキの水揚げ量推移

イワシ、イカナゴ、シタビラメ類、ガザミの水揚げ量推移

● 活動の内容

水産多面的機能発揮対策事業では、干潟等の保全に係る下記の取り組みを行っています。

  • 耕うん:底質改善のため、漁船で桁をひき海底を耕す、耕うんを実施しています。また、桁に引っかかった海底ゴミも回収処分しています。
  • 浮遊・堆積物の除去:室津漁港は潮流の影響により海ゴミ等の漂流漂着物が溜まりやすく、特に豪雨や台風等による災害時は港内を埋めるほどになるため、定期的に浮遊・堆積物の除去を行っています。
  • 理解増進を図る取組:室津漁協女性部が中心となり、本組織の取組について、地元水産物ともに子供達に紹介しています。

各活動を実施している区域

桁による耕うんの様子

● 活動の効果

  • 耕うん後のモニタリング調査により、底生生物の個体数が増加しています。一方、種類数や湿重量は減少傾向にあります。
  • 現状では、少なくとも耕うんを実施することで一定の底質改善効果はあると考えられます。
  • 今後も継続的に実施し、別の環境改善方法も検討実施しながら、沢山の生物が育まれる良好な海域環境の実現を目指します。

底生生物の平均個体数推移

底生生物の平均湿重量推移