● 地域の現状・課題
・本件活動地域は、赤穂市南部に位置し、播磨灘に面している。
・平成15年頃から天然あさりが減少し始め、平成20年以降、さらに減少が目立ち、平成21年の台風9号以降、ほとんど天然あさりが見られなくなった。
・また、その頃からエイが増え始め、二枚貝の食害も見られるようになった。
・以前のような天然あさりを復活させるべく、平成25年度に活動を設立し、干潟等の保全活動を開始した。
活動実施場所
海底耕転
海底耕転
● 活動の内容
・水産多面的機能発揮対策事業では、周辺海域で、特にあさり等の底生生物を増やすため、下記の取組を行っている。
①保護区の設定:区画用の杭を使用し、枠を作成。食害防止のため枠に網を設置し、エイなどの生物が侵入しないようにする。
②海底耕うん:干潟の底質環境改善のために、ケタを使って耕うん。
③機能発揮のための生物移植(あさり種苗の放流):親貝を任意に放流。
保護区杭作成
保護区杭設置
網張の様子
● 活動の効果
・令和2年度のモニタリングの結果、活動区域内の10地点における底生生物(二枚貝)の増加量は、前年対比61%であった。
・保全活動を行った結果、活動計画どおり実行したが、干潟の環境は未だ改善されていない。
・令和3年度からは区画をさらに細かく絞り、生物移植の種苗を、あさり親貝から坂越で養殖した稚貝に変える。また現在行っているモニタリングにプラスして、新区画の底質、水質調査を行い、現状を把握したうえで、あさりにとって良い環境の干潟を増やし、広げていく予定である。
干潟等のモニタリング
モニタリング結果から作成している資料
あさりの種苗放流