● 地域の現状・課題
- 炬口地区は淡路島中部の東海岸に位置しており、大阪湾に面している。
- 当地区では昔から船曳網漁業や建網漁業などが行われており、優良な漁場を有している。
- しかし近年、様々な要因により水産資源は減少しており、幼稚魚の成育場やイカナゴの夏眠場として機能してきた浅海域の底質は硬く締まり、その機能が失われつつある。
活動海域
● 活動の内容
- 浅海域の環境を改善し、水産資源の維持・回復を図ることを目的に、海底耕うんや浮遊・堆積物の除去を実施している。
- 海底耕うんは7~9月に4回程度行っており、鋼製の桁を船で曳く方法で硬くなった海底を耕うんしている。
- 浮遊・堆積物の除去は7~10月頃に実施しており、海岸清掃のほか、船を用いて海底の堆積物を除去している。
- その他にも水産業の普及啓発活動として、小学生を対象とした地曳網体験や漂流ゴミ確認のための乗船体験を実施している。
- モニタリングは海底耕うん区と対照区において、潜水目視観察と採泥器による底生生物の採取を実施している。
海底耕うんと使用した桁
活動により除去したゴミと地曳網体験の様子
● 活動の効果
- 底生生物量(個体数)はしばらく横ばいで推移していたが、令和元年度には大きく増加した。
- 底生生物量の増加のみでなく、耕うん区では良好な底質環境の指標となるナメクジウオが出現しており、活動の効果が表れているものと考えられた。
- また、引き上げられる人工ゴミの量も減少傾向にあり、今後も活動を継続して海域環境の保全・回復を図りたい。
底生生物量(個体数)の推移
モニタリングで採取したナメクジウオ