● 地域の現状・課題
- 湊地区は淡路島の南西に位置しており、播磨灘に面している。
- 地区の北側は砂浜が続く慶野松原の沖合にあたり砂質底が広がっており、南側は岩礁域となっている。
- 豊かな魚種に恵まれており、春にはマダイ、ヒラメ、スズキなどが、秋にはアジ類やサバ類が獲れるほか、刺し網でクルマエビやカレイも漁獲される。
- しかし近年、様々な要因により水産資源は減少しており、クルマエビなど魚介類の生息場として機能してきた砂質の海底はヘドロが混ざり、固く締まったためにその機能が失われつつある。
- さらに、海域の貧栄養化もノリの生産などに大きく影響しており、これら浅海域の環境を改善することが求められている。
活動海域
● 活動の内容
- 浅海域の環境を改善し、水産資源の維持・回復を図ることを目的に、海底耕うんや稚ナマコの放流、海岸清掃を行うことにした。
- 海底耕うんは5~9月に20回/年ほど実施しており、鋼製の桁を船で曳く方法で、ヘドロ混じりの硬くなった海底を耕うんしている。
- 稚ナマコは5月に採苗器の設置を行い、12月に稚ナマコを放流している。
- 海岸清掃は主に11~2月の期間に5~8回/年ほど実施している。
- その他にも、浅海域の基礎生産力を高めるため、12月にため池のかいぼりを行っている。
- モニタリングは海底耕うん区と対照区において、潜水目視観察と採泥器による底生生物の採取を実施している。
海底耕うんと使用した桁
稚ナマコの放流と海岸清掃
● 活動の効果
- 海底耕うんを行ったことにより、底生生物の出現量(個体数)は増加傾向を示した。
- 特に、魚類の餌料となる多毛類(ゴカイ類)の増加や、良好な底質環境の指標となるナメクジウオが出現しており、活動の効果が表れているものと考えられた。
- 今後も活動を継続し、海域環境の保全・回復を図りたい。
底生生物量(個体数)の推移