みんなの川・揖保川会(兵庫県たつの市・宍粟市・太子町・姫路市)

● 活動項目

内水面生態系の維持・保全・改善

● 組織の構成

漁業者、揖保川漁協、(904名)

● 地域の現状・課題

・揖保川は、中国山地に連なる藤無山を水源とし、宍粟市・たつの市・太子町・姫路市を経て播磨灘に注ぐ一級河川である。

・揖保川には、83種もの魚類が確認されており、とりわけアユが有名で近畿や中国地方から毎年3,000~4,000人の釣り人が訪れる。

・近年、揖保川では、濁水の長期化、伏流水や流量減少、砂の堆積など、魚の産卵や成育に悪影響を及ぼす様々な問題が生じており、その対策が求められる。

・また、川で遊ぶ子どもたちや家族連れが減っており、流域住民の河川環境への関心が薄れている。住民の川離れは、河川環境の荒廃にもつながることから、親水空間としての川の利用の回復も喫緊の課題となっている。

● 活動の内容

・当該組織では、河川環境の保全、また親水性の回復を目的に、以下の活動を行っている。

・河川環境の保全や親水性の確保を目的に、清掃活動を広域に実施している。

・また、流域住民の親水空間としての川の利用を回復するために、体験学習会を積極的に開催している。加えて、多くの人が集まる祭りイベントにも参加し、揖保川の魅力を伝える啓発活動も併せて実施している。

・その他にも、過年度に設置したウナギ石倉の維持・管理等を行っている。

河川清掃

回収したゴミ

水生生物調査体験会

アユの一生(紙芝居)

● 活動の効果

・河川清掃は、年間80~90haに及ぶ面積で取り組みを行うことができた。また、年度によるが、29年度は100名近くのボランティアの参加があり、当該組織の取り組みが地域に理解されるようになってきた。加えて、人工ゴミを捨てる人も減ってきており、活動の効果がうかがえるようになってきた。

・体験学習会の参加やイベントへの参加によって、毎年1,000名以上の子どもや大人に対して、揖保川の魅力や環境保全の重要性について広く普及・啓発することができた。また、当該組織としてこれら取り組みを5ヶ年にわたって実施したことで、学習会などが地域に根付いてきており、今後も活動を継続していきたい。

水生生物調査

ウナギ石倉の維持・管理