百石地区漁場保全の会(青森県おいらせ町)

● 活動項目

干潟等の保全

● 組織の構成

漁業者、百石漁協、青森県職員(34名)(サポーター:青森県三八農林水産事務所八戸水産事務所)

● 関連サイト

● 地域の現状・課題

  • 百石地区は青森県南東部に位置し、太平洋に面しており、前沖の砂浜域では、冬から春にかけて、ウバガイ(ホッキガイ)漁を行っているが、近年、ウバガイの生息数が減少傾向にあり、全体の漁獲量に影響を及ぼしている。
  • 以前はマンガンと呼ばれる漁具で砂を掘りながらウバガイを漁獲していたが、近年は、ポンプで表面の砂を飛ばして漁獲する噴流式マンガンでの漁獲に切り換えたことにより、底質に変化が見られるようになっており、これがウバガイの生息に影響を及ぼしている可能性がある。
  • また、最近では、ウバガイなどの二枚貝と生息場所が競合するカシパン類の分布も増加しており、その影響も懸念される。
  • ウバガイなどの資源回復を目指し、海域の保全活動を実施することにした。

噴流式マンガンによるウバガイ(ホッキガイ)漁の操業風景

活動区域のおけるカシパン類の生息状況

● 活動の内容

  • 主な取組は海底耕うんで、前沖の水深10ⅿ以浅の49㏊(4,900m×100m)の活動面積において実施している。
  • 海底耕うんは、普段、ウバガイを漁獲するのに使用している噴流式マンガンを用い、船で曳航して行っている。
  • 令和5~7年度(令和6年度補正予算)において、海底耕うんは、6~7月にかけて8~11日間実施しており、延べ参加人数は143~252人で、令和7年度(令和6年度補正予算)においては、安全と効果増大のため、活動時間を8時間から6時間に短縮し、実施回数を11回に増やして行った。
  • モニタリングは、ちりとり型採取器を用いて0.2m×2ⅿの範囲に生息するウバガイなどの底生動物を採取し、個体数及び重量を測定し、生息密度を調査している。

ちりとり型採取器

モニタリング調査の状況

● 活動の効果

  • モニタリング調査の結果、ウバガイの生息密度は、令和3年度には10定点中5定点で半分確認され、平均1.8個体/㎡に留まったが、毎年度増加し、令和5年度にはすべての定点で確認され、生息密度が7.5個体/㎡まで増加しており、耕うんにより、ウバガイの生息環境が改善され、生息数が増加しているものと考えられた。
  • しかしながら、令和6年度は5.3個体/㎡、令和7年度(令和6年度補正予算)は5.0個体/㎡で、ウバガイの生息が確認できなかった定点が1箇所見られるなど、減少傾向となっており、特に幼稚貝が少なくなっている状況であった。
  • これは、海水温上昇等の自然環境の変化及びカシパン類の影響により新たな加入がないことが大きいと考えられる。
  • 今後は、当海域で行っている資源量調査とモニタリング結果を比較し、成貝はもとより、新たに着底する稚貝に影響しない耕うんの活動時期を検討するなど、新たな加入群の増加に努める。

モニタリング定点におけるウバガイの生息密度

モニタリング調査による採取生物