姫路の海を守る会(兵庫県姫路市)

● 活動項目

干潟等の保全

● 組織の構成

漁業者、姫路市漁協、漁業者家族(49名(令和3年度現在))

● 地域の現状・課題

・姫路市は兵庫県の中播磨地区に位置し、市川や夢前川等の河川の恩恵を受け、沿岸域でメバル、カサゴ、アナゴ、ヒラメ、ガザミ、アサリ、ノリ・カキ養殖など多種多様な魚介類が水揚げされています。

・沿岸の大部分は埋立地であるため海底のヘドロ化や近年では貧栄養化の影響もあわさり、カレイやアナゴ、アサリなどの底ものの魚介類が減少しています。

・周辺海域の環境改善と資源増大のため、地元漁業者は種苗放流や魚礁の設置、浅場づくりなどに積極的に取り組んでいます。

活動を行っている海域

● 活動の内容

・水産多面的機能発揮対策事業では、海底環境改善を目的として、姫路市沿岸の海底を小型底びき漁船が耕耘機をひいて海底を耕す活動を行っています。

・活動場所の海底は泥場であり、活動によって、海底の固まっていた砂や石、ヘドロなどを掘り起して酸素を供給するとともに、海底にたまった栄養塩類を巻き上げ、環境改善を行っています。

・この活動により、ゴカイ等の底生生物の増加を図ることで、これを餌にするカレイ等の生物も期待して活動しています。

・耕うん活動の前後にはモニタリングを行い、底生生物の増減を比較することで年度別の海底の変化を記録しています。

耕転機の準備

船による海底の耕転作業

● 活動の効果

・海底耕耘により底質環境が改善され初年度に微硫化水素臭がしていた底質が無臭のシルトに変化し、底生生物の個体数は年によって変動はあったが最終年度には増加傾向がみられた。

・生物の分布的にも初年度はモニタリング箇所10か所のうち数箇所で一桁しか生物が捕れなかったが、最終年度は生物が二桁確認できる箇所が増えたので、耕耘作業が海底の改善に役に立ったと思われる。

平成30年度からの底生生物の個体数推移