● 地域の現状・課題
- 串本町は紀伊半島の先端、北緯33度30分に位置し、沿岸海域は世界最北となるサンゴ群落が多数分布しており、平成17年にラムサール条約登録湿地として認定されている。
- 当海域では過去に多量のオニヒトデが発生し、その食害を受けたサンゴの死滅が確認された。
- そのため、サンゴ礁の保全を目的に当該組織を結成し、サンゴを食害する生物の駆除活動を実施している。
活動区域に広がるサンゴ礁
活動前の集合写真
サンゴが減少した海域
● 活動の内容
- サンゴを食害する生物(オニヒトデ・巻貝)の駆除及びモニタリング調査を実施している。
- モニタリングでは、マンタ法のほかコドラート法によるサンゴの生育状況、被度調査を行っている。
作業開始前の様子
方形枠を用いたモニタリング
食害生物の除去作業
● 活動の効果
- オニヒトデの駆除数は2010~2019年度の10年間で約1万6千個体、2020年度以降は年間1千個体を下回る。また、同期間の巻貝では約2万個体、2020年度以降は年間1千個体以下に減少、両者とも着実に活動の効果が表れている。駆除数は減少しているが、未だ小型個体や幼少集団、即ち新規個体の加入が示唆されるため、駆除活動の継続が必要である。
回収されたオニヒトデ
陸揚げしたオニヒトデの処理
若い巻貝の集団