東地区海洋環境保全対策活動組織(鳥取県岩美町)

● 活動項目

藻場の保全、海難救助

● 組織の構成

漁業者、鳥取県漁協東支所、女性部(50名)

● 地域の現状・課題

・東地区は、鳥取県東部の岩美郡岩美町に位置し、日本海に面しており、兵庫県と隣接した地域である。

・周辺にはアラメを中心とした藻場があり、素潜りや箱メガネによる採貝漁業、刺網漁業、イカ釣り漁業等を行っている。

・磯焼けは見られないが、平成26年頃から砂の堆積(漂砂)により藻場が減少している場所が出てきた。

・魚介類の生育に重要な藻場の維持・回復を目的として、平成28年度に当該組織を設立し、保全活動を開始した。

活動が行われている海域

● 活動の内容

1.藻場の保全

・海藻の種苗投入:アラメの種苗を移植したプレートを海底の岩などに水中ボンドで固定したボルト付き鉄板に設置している。

・食害生物の除去:素潜りによってウニ類やヒトデを採取・回収し、アイゴなどの食植生魚類を船上からの釣りによって除去している。

・浮遊・堆積物除去:海面の浮遊物は船上から回収し、海底に堆積したものはスキューバ式潜水によって回収している。

2.海難救助

・操業の安全確保を目的として、海難救助訓練を行っている。(令和6年度から実施)

プレート上で生育するアラメ種苗

釣りによる食植生魚類除去

スキューバ潜水による浮遊・堆積物除去

船上からの浮遊・堆積物除去

● 活動の効果

1.藻場の保全

・令和5年度の海藻の被度は41%であり、前年度(50%)より減少した。海水温が高い時期が長かったことが影響したものと思われる。

・しかし、海藻被度の大幅な減少は食い止められており、食害生物駆除等の活動の効果があったものと考えられる。

2.海難救助

・(令和6年度の活動の効果について取りまとめ中)

繁茂する海藻