田後地区海洋環境保全対策活動組織(鳥取県岩美町)

● 活動項目

藻場の保全、海の監視ネットワーク、海難救助

● 組織の構成

漁業者、田後漁協、(株)SEEN(53名)

● 地域の現状・課題

田後地区は、鳥取県東部の岩美郡岩美町に位置し、日本海に面している。

当地区ではウニ類等の食害による藻場の減少が課題であった。このため平成28年度に活動組織を設立し、藻場の保全活動を開始した。

● 活動の内容

1.藻場の保全

・海藻の種苗投入:海底の岩盤にボルト付き鉄板土台を固定し、アラメ種苗プレートを設置している。

・食害生物の除去:素潜りによるウニ・ヒトデ類、釣りによるアイゴ等の食植生魚類の除去を行っている。

・浮遊・堆積物の除去:海底に堆積している漁網等をスキューバ潜水により回収している。

2.海の監視ネットワーク

・操業の安全確保を目的として、船上から漂流物等の有無、赤潮の発生状況等の監視を行い、漁業者間や漁協と情報共有を行っている。

3.海難救助

・操業の安全確保を目的として、海難救助訓練を行っている。

アラメ種苗の設置

● 活動の効果

1.藻場の保全

・令和5年度のモニタリングを実施した結果、海藻の平均被度は41%であった。

・今後も植生拡大を促進するため、海藻の種苗投入、食害生物の除去、堆積物の除去を継続的に行っていきたい。

2.海の監視ネットワーク

・漁業者による海上監視、情報収集の強化を図ることができた。

3.海難救助

・漁業者による救援体制の構築や強化を図ることができた。海難救助訓練のフォローアップ研修にも参加し、海難事故の未然の防止を図ることができた。

繁茂する海藻

堆積物の除去