● 地域の現状・課題
・網代港地区は、鳥取県東部の岩美郡岩美町に位置し、日本海に面している。
・当地区では目立った磯焼けはみられないが、平成26年頃から砂の移動による藻場の減少が見られるようになった。
・藻場の減少はウニ類による食害と考えられたため、平成28年度に活動組織を設立し、藻場の保全活動を開始した。
● 活動の内容
・海藻の種苗投入：アラメの種苗を取り付けたプレートを海底の岩などに固定したボルト付き鉄板に設置している。
・食害生物の除去：素潜りによってウニ類やヒトデを採取・回収している。除去したウニの一部は、釣用の餌として有効利用している。
また、釣りによってアイゴなどの食植生魚類の除去を行っている。
・浮遊・堆積物の除去：魚網などのゴミのうち、海面に浮遊しているものは船上から、海底に堆積しているものはスキューバ潜水によって回収している。
アラメ種苗の設置
素潜りによる食害生物除去
● 活動の効果
・平成30年度のモニタリングを実施した結果、5定点の海藻平均被度は30％であった。
・ウニ類の駆除等の活動を継続して実施した結果、アラメの被度が毎年微増している。
・アラメなどの多年生藻類を中心とした良好な藻場が維持されているので、今後はその面積を拡大するための取り組みを行いたい。
除去されたウニ類とヒトデ
繁茂する海藻