風間浦地区藻場保全活動の会(青森県風間浦村)

● 活動項目

藻場の保全

● 組織の構成

漁業者、風間浦漁業協同組合、地域住民(343名)

● 地域の現状・課題

  • 青森県風間浦村は、津軽海峡に面した下北半島の村であり、村の北部から蛇浦地区、易国間地区、下風呂地区の3つの地区からなっている。
  • 各地区の沿岸には、かつてマコンブが繁茂し、主要海藻として多くの水揚げがあったが、近年は磯焼けが進行し、マコンブをはじめとする海藻類の減少が著しい。
  • 大量に生息するウニ(キタムラサキウニ)が海藻類を食い荒らし、磯焼けの原因となっており、藻場の回復に向けて、ウニによる食圧を減らすことが喫緊の課題となっている。

磯焼けした海底と大量に生息するキタムラサキウニ

● 活動の内容

  • マコンブを中心とする藻場の回復を目的として、3地区でウニの除去とマコンブ種苗の投入を行っている。
  • ウニの除去は、6~12月にかけて、船上よりタモなどで採取し、採取したウニは海藻の残る海域へ放流することにより行っている。
  • マコンブの種苗は採苗場で採苗糸に遊走子を着生させ、12月頃に成長した幼体を付着させた種苗糸をロープに巻き付けて活動区域の海底に投入している。

ウニの除去作業風景

マコンブの種苗ロープの作成と投入作業

● 活動の効果

  • 過去3年(令和3~5年度)では、ウニの除去とマコンブ種苗の投入により、蛇浦地区では海藻類の被度が78.3~93.9%と高く、ウニの生息密度も0.0~0.5個体/㎡と低下している。また、下風呂地区では、海藻類の被度が4.8~60.0%で増加傾向にあり、ウニの生息密度は2.3~4.0%で、減少傾向にある。一方で、易国間地区では、海藻類の被度が14.8~18.8%とやや低く、ウニの生息密度が4.2~8.4個体/㎡で減少傾向にあるものの、他の2地区と比べると、やや多くなっている。
  • これまでの取組により、磯焼けが減少する傾向にあることから、今後も、ウニの除去とマコンブ種苗の投入を継続して行い、マコンブ資源の回復を目指す。

海藻類の被度とウニの生息密度

生長した種苗ロープのマコンブ