宍道湖流域保全協議会(島根県松江市・出雲市)

● 活動項目

内水面生態系の維持・保全・改善

● 組織の構成

漁業者、宍道湖漁協(280名)

● 地域の現状・課題

・宍道湖は、島根県北東部にある湖。最大水深6.4m(平均4.5m)、面積79.1km2で、全国7位の大きさの汽水湖である。

・宍道湖を代表する生き物はシジミで、その水揚量は全国トップクラスであり、島根県を代表する水産物となっている。

・そのため、県・市・漁協・漁業者が連携して、宍道湖の環境保全や、シジミの資源管理に取り組んでいる。

・漁業者主体で構成した当該組織は、平成25年度に結成され、宍道湖シジミ資源の維持を主目的に、湖内の環境保全を図る。特に、現在、湖底の水草(オオササエビ等)や藻(シオグサ等)の繁殖が大きな問題となっており、その除去作業を実施している。

● 活動の内容

・湖底で大量繁茂する水草や藻は、砂泥地であるシジミ等二枚貝類の生息場を奪う。また、その枯死体の蓄積は、底質をヘドロ化し、貧酸素化を誘発する。そこで、当該組織ではこれら大量繁殖する水草や藻を除去している。

・除去作業は、湖岸を8地区に区分し、地区ごとに定められた日に、効率良く一斉除去する。

・除去方法は、シジミ漁で使うジョレンを改良したもので行う。

・除去した水草・藻、またゴミは陸揚し、土嚢袋に詰め、処理業者へ依頼し適正処分している。

水草等の作業

回収した水草等の陸揚

回収・袋詰めした水草等

体験学習会も開催

● 活動の効果

・水草等の除去は、本格実施となった平成26年以降は毎年10トンを超えており、令和6年度は、10.8トンの水草を除去した。継続した活動の効果が認められている。

・シジミの生息密度は、令和6年度は平均2147個/㎡であり、除去作業の効果を実感している。

・宍道湖の環境や漁業に関する学習会は好評で、令和6年度の参加校は12校と当初に比べ大幅に増加した。この活動は、宍道湖の環境保全や水産資源を持続させる上で重要な取り組みとなっている。