日生藻場造成推進協議会(岡山県備前市)

● 活動項目

藻場の保全

● 組織の構成

漁業者、漁業関係者、NPO法人里海づくり研究会議(103名)

● 地域の現状・課題

  • 日生地区は岡山県の南東部、兵庫県との県境に位置し本土と大小約13の島からなる日生諸島で構成される。
  • 昔から「日生千軒漁師町」呼ばれる漁業の町で、近年は「日生かき」の産地、かきおこ(カキ入りお好み焼き)のまちとして全国的にも知られている。

  • 1945年頃、沿岸域に500haのアマモ場が広がっていたが1985年頃にはわずか12haに減少した。
  • アマモ場の減少に危機感を募らせた壺網(小型定置網)の漁業者を中心に1985年から保全活動を開始した。
  • 2009年より「漁業者」「漁協」「NPO法人里海づくり研究会議」を構成員とした活動組織を設立し、藻場の保全活動を続けている。

備前市日生町の位置図

アマモの種子

種まきにより再生したアマモ場

● 活動の内容

アマモ流れ藻から種を採集し、アマモが少ない浅場に船上から種まきを行っている。

  • ①種取り(5~6月、アマモ花枝採集):カキ筏や港内に漂着し、養殖や航行の妨げになっている流れ藻(花枝)を船上に集める。
  • ②種の保管(6~9月、花枝の保管):流れ藻を網袋に詰めて、海上の筏に吊して保管する
  • ③アマモ植生調査(6月繁茂期、モニタリング):前年の秋に種まきを行った場所をはじめ、アマモ保全区域内の分布状況を把握する。
  • ④種まき(9~10月、種子の選別と播種):種の保管袋を引き上げ、ヘドロ状になった花枝と種を海水で洗浄しながら選別する。モニタリングの結果、アマモが少ない場所を主体に種まきを行う。

①アマモ花枝(流れ藻)の採集

②アマモ花枝の保管

④種子選別と種まき

● 活動の効果

  • 2015頃にアマモ場面積は250haにまで回復し、年変動はあるものの維持し続けている。
  • 瀬戸内海の貧栄養化や高水温、漁業者の減少等の諸要因が影響するため、顕著な漁獲量の増加は認められないものの、アマモの消失によりみられなくなっていたモエビやアイゴ等、アマモに依存する魚種が復活した。
  • 近年、夏の高水温や季節外れの風波等、アマモの発芽、定着に厳しい環境となっていることから、種に粉砕カキ殻をまぶした団子状の塊で投入する等、種まきの改良を図り、効果が現れつつある。
  • 保全活動には、地域の児童生徒や消費者団体、企業も多数参加し、瀬戸内海の環境やその保全の重要性を知っていただく重要な機会になっている。

アマモ場の回復状況

粉砕カキ殻の活用による種まき改良の取り組み

保全活動の広がりと海洋教育への展開