● 地域の現状・課題
- 阿武地区は山口県北部に位置し、日本海に面している。
- 地区の沿岸には藻場が広がっていたが、平成25年夏の高水温により磯焼けが発生し、ウニ類の食圧も高いため藻場の回復が遅れている。
- 浅場では磯焼けが進行している場所もあり、磯根資源も回復していない。
- 藻場の再生と磯根資源の回復が求められており、藻場の保全活動を実施することにした。
ウニ類が集まり磯焼け状態の海底
● 活動の内容
- 藻場の保全活動として、母藻の設置やウニ類の除去、ウニ類の密度管理を実施している。
- 母藻の設置は、スポアバッグによる母藻設置のほか、藻場ブロックにホンダワラ類やアラメの母藻を取り付けて設置している。
- ウニ類の除去は、素潜りもしくは船上よりハンマーや竹竿を用いて海中でウニ類をつぶしている。
- ウニ類の密度管理は、素潜りによりムラサキウニを採取し、密度の低い場所に移植放流している。
藻場ブロックによる母藻の設置
船上からのウニ類の除去
移植放流用のムラサキウニの採取
ムラサキウニの移植放流
● 活動の効果
- 活動を行っていることにより、平均被度20%ほどでアラメが優占する四季藻が維持されている。
- 年間8~9万個ほどのウニ類の除去を実施しているが、ウニ類の増殖が速く、海藻類の分布は現状維持にとどまっている。
- 今後も藻場の保全活動を継続するとともに、ウニ類の除去や密度管理を重点的に行い、食害生物の減少を図る。
海藻類被度の推移
藻場ブロック周辺の海藻類生育状況