東和水域監視グループ(山口県周防大島町)

● 活動項目

国境・水域の監視

● 組織の構成

漁業者、大島町漁協、地域住民(51名)

● 地域の現状・課題

  • 東和地区は、山口県東部に浮かぶ屋代島(周防大島)の東側に位置している。
  • 当地区は山口県、広島県、愛媛県の県境海域にあたり、漁業権の境界が複雑に入り組んでいることから、以前より密漁船や不審船の監視が行われてきた。
  • また、近年では豪雨の影響により流木やロープ、漁網などの漂流物が多くみられ、船舶の航行や漁業操業の妨げとなっている。
  • これまではこのような漂流物などに関する情報共有は行われておらず、海上の危険情報を共有する体制づくりが求められるようになった。

活動海域

● 活動の内容

  • 主に7月上旬~10月上旬にかけて海上の監視活動を行っている。
  • 監視活動は荒天の場合を除き月~金曜の毎日、3海域に分けられた各海域において3~4人が乗船した監視船により実施している。
  • 平成30年度までは密漁船や不審船の監視を主な目的として夜間に実施してきたが、令和元年度からは漂流物や環境異常の監視を主目的として14~18時の時間帯に活動している。
  • 監視中に発見した漂流物は、回収できるものは回収し、回収が困難なものについては位置を記録して、山口県漁協(東和町支店)に報告している。
  • 報告された漂流物などの情報は、危険が予想される場合には海上保安庁などに通報するが、それ以外については組合員などで情報共有している。

監視活動および漂流物回収の様子

● 活動の効果

  • 3海域においてそれぞれ50日/年の監視活動を実施し、平成28~令和元年度にかけては年間25~50件の漂流物などの異常が報告された。
  • 監視活動は漁業操業時ではなく、時間と海域を決めた当番制で行っているため、集中した監視が行え、報告件数が多くなっている。
  • また、監視活動を行うことにより、密漁の抑止にもつながっていることが期待される。