● 地域の現状・課題
- 神代地区は広島湾口部付近に位置し、海岸線には前浜干潟が広がっている。
- かつて、干潟には多くのアサリが生息し、漁業者だけでなく地域住民も潮干狩りを楽しむことのできるレクリエーションの場となっていた。
- しかし、近年はアサリが激減してほとんど見られなくなってしまったことから、以前のように潮干狩りを楽しめる干潟環境を取り戻すことが求められている。
活動地区
● 活動の内容
- 干潟環境を改善するため、食害防止ネットの設置やケアシェルの設置、耕うん、アサリの放流、ツメタガイ(食害生物)の除去、海浜清掃などを実施している。
- ケアシェルは二枚貝の着底促進のために設置しており、5月頃には洗浄と再設置を行っている。
- 食害防止ネットについても定期的に張り替えを行っており、耕うんは人力だけでなく、重機なども活用している。
ケアシェルの洗浄・再設置と食害防止ネットの設置
重機を用いた耕うんとツメタガイの除去
● 活動の効果
- 干潟の保全活動を開始する前にはほとんど見られなくなっていたアサリだが、活動を開始したことによりアサリの生息が確認できるようになった。
- ただし、アサリの生息密度が大きく増加するような成果はいまだ得られておらず、引き続き活動を継続する必要がある。
- また、アサリが確認できるようになったことで、活動に参加した地域住民を対象に許可制で潮干狩りを行えるようになった。このことは、かつてからあった地域の文化を守るとともに、高齢化が進む漁業者の活動を地域が支えることにつながっている。
モニタリングの様子