越ヶ浜藻場保全グループ(山口県萩市)

● 活動項目

藻場の保全

● 組織の構成

漁業者、山口県漁協越ヶ浜支店、はぎ統括支店(37名)

● 地域の現状・課題

  • 越ケ浜地区は山口県北部に位置し、日本海に面している。
  • 地区の沿岸には藻場が広がっていたが、平成25年夏の高水温により磯焼けが発生し、藻場が衰退した。
  • ウニ類の食圧も高いため藻場の回復が遅れ、磯根資源も減少している。
  • そのため、藻場と磯根資源の回復が喫緊の課題となっており、藻場の保全活動を実施することにした。

ウニ類が集まり藻場が衰退した海底

● 活動の内容

  • 藻場の保全活動として、母藻の設置、ウニ類の除去、ウニ類の密度管理を実施している。
  • 母藻の設置は、アラメ・カジメを対象に、母藻のスポアバッグを設置しているほか、藻場ブロックに母藻を取り付けて設置している。
  • ウニ類の除去は、素潜りによりムラサキウニなどを海中でつぶしており、年間5~6万個ほどを除去している。
  • ウニ類の密度管理は、年間20kgほどのムラサキウニを採取し、密度の低い場所へ移植放流している。
  • なお、スポアバックの作成・設置は地元小学校の生徒と協働で行っており、出前授業も実施するなど、環境学習を兼ねた取り組みとしている。

素潜りによるウニ類の除去

ムラサキウニの移植放流

小学生協働によるスポアバッグの作成

小学生協働によるスポアバッグの設置

● 活動の効果

  • 活動を行ったことにより、藻場の平均被度は20%ほどでアラメが優占する四季藻場が維持されている。
  • 小学生と協働の活動を実施したことにより、小学生の藻場保全に対する意識が高まり、環境保全の意識向上につながった。
  • 藻場の回復はまだ不十分であり、今後も小学生の環境学習とともに藻場の保全活動を継続する。

海藻類被度の推移

海藻類の繁茂状況

小学生との協働作業の様子