吉見藻場保全グループ(山口県下関市)

● 活動項目

藻場の保全

● 組織の構成

漁業者、山口県漁協吉見支店、地域住民(16名)(サポーター:水産大学校、下関市、下関市栽培漁業センター)

● 地域の現状・課題

  • 吉見地区は山口県西部に位置し、響灘に面している。
  • 主な漁業は、素潜りによる採貝採藻漁業で、アカモクやヒジキ、アワビ、サザエなどが漁獲されており、近年は特にアカモクの水揚げが多くなっている。
  • 地区の沿岸には元々藻場が多かったが、平成25年夏の高水温やウニ類の食害により、藻場は衰退し、磯焼け状態になってしまった。
  • そのため、藻場を再生して豊かな海を復活させることが求められており、藻場の保全活動を実施することにした。

ムラサキウニと磯焼け状態の海底

● 活動の内容

  • 藻場の保全活動として、母藻の設置、海藻の種苗投入、ウニ類の除去を実施している。
  • 母藻の設置は、アカモク・アラメ・ワカメ(メカブ)をブロックやコンテナケースなどに取り付けて設置している。
  • 種苗投入は、下関市栽培漁業センターより提供されたアラメ種苗ロープを投入してるほか、天然採苗用にロープを巻き付けたブロックをアカモク群落内に設置している。
  • ウニ類の除去は、夏には素潜りで、冬には船上から、採捕もしくは粉砕して実施している。

アラメの母藻設置

アカモクの母藻設置

船上からのウニ類除去

素潜りによるウニ類除去

● 活動の効果

  • モニタリングによる海藻類の被度はほぼ横ばい状態で現状を維持しているが、ワカメ・アカモクについては母藻や種苗投入場所での定着が確認されている。
  • このように活動の効果が徐々に表れ始めており、今後も活動を継続して藻場の回復を図っていく。

海藻類の被度の推移

ホンダワラ類の繁茂状況