竹ヶ島海中公園のエダミドリイシサンゴを守る会(徳島県海陽町)

● 活動項目

サンゴ礁の保全

● 組織の構成

漁業者、宍喰漁協、NPOあど未来、野根川の自然と水資源を守る会、四国海と生き物研究室、その他個人(34名)

● 地域の現状・課題

・竹ヶ島海域公園は、徳島県と高知県の県境に位置し、エダミドリイシ等の海中景観の美しさから、1972(昭和47)年に海中公園(当時)に指定された。

・1981(昭和56)年、長期間の異常低温によりエダミドリイシが白化し、一旦は分布面積が激減したが、その後の調査により徐々に回復傾向にある。

・1986(昭和61)年から地元漁協が移植を開始し、2004(平成16)年から地元小学生も参加している。

・2005(平成17)年、自然再生協議会が発足し、地元サンゴの採卵・育成に取り組んでいる。

竹ヶ島海域公園の様子(2017年)

エダミドリイシの産卵状況(2019年)

育成したエダミドリイシの幼体(2019年)

● 活動の内容

・サンゴ移植(無性生殖):地元漁協、地元小学生を中心に実施しており、湾内のエダミドリイシの断片から移植種苗を作成し、漁業者が潜水して、海域公園1号地周辺に移植を行っている。

・サンゴ移植(有性生殖):無性生殖由来の移植は環境変化等のインパクトに対して耐性が弱いとの示唆もあり、2018(平成30)年度からは、湾内で採卵し地元で育成したサンゴ幼体を種苗にして移植を行っている。

地元小学生の移植状況(2019年)

無性生殖の移植片(2017年)

有性生殖の移植種苗(2019年)

● 活動の効果

・2019(令和元)年度のモニタリング(リーフチェック)の結果、海域公園の2地点の平均サンゴ被度は34.5%(1号地48.2%、2号地20.7%)であった。

・2019(令和元)年度の海域公園内のサンゴ分布調査では、1号地の東側海域で、エダミドリイシの優占域の拡大、分布密度の増加が確認された。

・保全活動を続けた結果、エダミドリイシの分布域は回復傾向にあると考えられる。

(図)海域公園のサンゴ類分布状況の変遷

   緑:エダミドリイシ優占

   赤:エダミドリイシ・カワラサンゴ混成

   黄:カワラサンゴ優占

   青:多種混成

   オレンジ:シュロサンゴ群落

   水色:ウミバラ群落

2005(平成17)年度 サンゴ分布図

2013(平成25)年度 サンゴ分布図

2019(令和元)年度 サンゴ分布図