● 地域の現状・課題
- 中山川は石鎚山系を源流とし、道前平野が広がる西条市を流れ、瀬戸内海に注ぐ、延長約23kmの二級河川である。
- 中山川には、水産有用種のアユ、アマゴ、ウナギ、モクズガニ、シジミが生息するが、中山川流域の東予地方は寡雨(かう:降水量が少ない)地域で厳しい河川環境にある。
- また、中山川本流は、主要県道に沿っていることから、多量の投棄ゴミが発生し、河川環境・景観上の大きな課題となっている。
● 活動の内容
- 当組織は、漁協と漁業者が主体となり、平成25年度に設立した。
- 活動の目標は、霊峰石鎚山を源流とし、道前平野に恵みをもたらす中山川の環境保全であり、不法投棄ゴミの回収など河川美化活動を流域全体で推進する。具体的な活動内容は、以下のとおり。
- 河川清掃:協定区域全域を10地区に分け、年2回、河川清掃を実施し、中山川の河川環境・景観を維持保全する。
- 体験学習:地元の保育園児を対象に、アマゴの体験放流を実施し、川の魅力を実感してもらい、身近な自然を大切にする気持ちを育んでもらう。
● 活動の効果
- 広域で実施する清掃活動によって、毎年約1.5~2.5トン(7ヶ年合計約14トン)のゴミを河川区域内から回収することができた。
- 流域住民の心ないゴミの投棄は、一向に減らない状況にあるが、年2回の河川清掃は、中山川の環境・景観の維持保全に大きく貢献していると考える。
- 体験学習については、継続した取り組みによって、保育園の年間行事として定着させることができた。また、毎年園児が描く感想の絵には、アマゴ放流の様子が生き生きと表現されており、活動の成果を実感している。また、園児の喜ぶ姿を見たり、これらの絵をみたりすることで、構成員の意欲の向上につながっている。