● 地域の現状・課題
- 町見地区(旧町見村)は、愛媛県西端の佐田岬半島中央部に位置しており、当該組織の活動場所は宇和海に面した海岸である。
- 当地区では採介藻漁業としてサザエやアワビ、ヒジキが重要な漁獲物となっていたが、ヒジキが不作となってしまった。
- そこで、藻場の保全のために当該組織を設立し、ウニ類(ガンガゼ)の除去を実施することにした。

海底に分布するガンガゼの様子
● 活動の内容
- 主な取り組みとして、9~10月頃にガンガゼの除去を10回前後実施している。
- 除去は4名の海士が鉄の平板を用いて、水中でガンガゼをつぶしている。
- バフンウニやアカウニといったその他のウニも多く生息するが、漁業者の漁獲により密度調整されており、ガンガゼの除去と併せてウニ類全体がコントロールされている。
- 過去にはスポアバッグによるヒジキの増殖を試みたがうまくいかず、現在は成果の見られたガンガゼの除去に専念している。

除去されたガンガゼ

モニタリングの様子
● 活動の効果
- 活動を行ったことにより、ガンガゼの密度が減少したように見え、海藻類の被度やヒジキの漁獲量も安定している。
- ただし、活動時期がヒジキ等の海藻の衰退時期に当たるため、モニタリングを海藻の繁茂時期に行うことや、海士の人数が限られるため、今後の人員確保が新たな課題となっている。
- これらの方策を検討しながらも、今後も積極的にガンガゼの除去活動を継続していく。

定期モニタリングによる海藻類被度階級の変化(地点別)