● 地域の現状・課題
- 愛南町は、愛媛県の最南端に位置し、リアス式の複雑な海岸線となっている。
- 長く伸びた半島と奥行きのある湾の地形から、マダイやブリなどの魚類養殖、真珠母貝、カキ、ヒオウギ、ヒジキなどの筏式養殖の盛んな町である。
- しかし、その地形ゆえに、湾内に入った漂流ゴミは容易に湾外に出ていかず、湾内の環境悪化や養殖筏への被害に苦慮してきた。
- 以前より、ボランティアにより漂着・漂流ゴミを処理していたが、豪雨等により発生した大量のゴミはボランティアのみでは対応しきれなくなってきた。
- そのため、当該組織を設立し、大量の漂着・漂流ゴミの処理を実施している。
漁港内に漂着した大量の漂着ゴミ①
漁港内に漂着した大量の漂着ゴミ②
● 活動の内容
- 主に漂着・漂流ゴミの回収を実施している。
- ゴミの回収は人力のほか、重機なども利用して行い、回収したごみは運搬し、処分場にて処理している。
- また、モニタリングとして岸壁に付着したマガキの密度を確認し、生育できる環境が維持されているかの指標としている。
地元漁業者による漂着ゴミの回収作業
重機による漂着ゴミのダンプ積み込み状況
クレーン付き船による漂着ゴミのダンプ積み込み状況
中間処理施設への運搬状況
● 活動の効果
- 近年における漂着・漂流ゴミの処理実績としては、令和4年度に13.71t、令和5年度に13.34tの処理を行った。また、令和6年度10月現在の状況としては梅雨時期の降雨や台風の接近が想定よりも少なかったことから3tの処理に留まっている。
- 取り組みを行ったことにより、漁業被害の防止だけでなく、湾内の水質や底質等における環境保全にもつながった。
- 当該組織の規模は10名程度と小さいが、多い時には20~30名もの地域住民などのボランティアが参加しており、これからも地域に根付いた取り組みを行っていく。
活動によりきれいに保たれた漁港①
活動によりきれいに保たれた漁港②
活動によりきれいに保たれた漁港③