愛南地区沿岸海難(津波)救助協議会(愛媛県愛南町)

● 活動項目

海難救助訓練

● 組織の構成

漁業者、愛南漁協(107名)

● 地域の現状・課題

愛南町は愛媛県の最南端に位置し西に豊後水道、南は太平洋に面しておりその形成された海岸線は複雑なリアス式となっている。

太平洋を流れる黒潮本流が瀬戸内へ流れ込む分岐点にあたることにより、多種多様な魚が水揚げされ漁船漁業はもとよりその栄養分を多く含む海水は潮の交換率が高い為、様々な魚類養殖も盛んに行われている。

ただ近年予想される南海トラフ巨大地震においては、太平洋に面した立地性と、そのリアス式海岸が湾内になるほど幅狭となっている為、津波の襲来により甚大な被害が発生することが危惧されている。

いつ起こるかわからない災害の発生時において、正しい情報伝達と迅速な減災行動にうつせる防災組織の確立を目指し災害時、通信障害の懸念が少ない漁業無線を用いた海難訓練を年一度実施する事とした。

愛南町地図

● 活動の内容

漁船に設置してある漁業用デジタル無線機を使用した、文字データ通信訓練を皮切りにテーマに沿った海難訓練を年に一度実施している。(救助、防災、救命、油防除等)

適宜、宇和島海上保安部、愛南町消防署、(公財)海と渚環境美化・油濁対策機構等の専門家の指導を仰ぎ正しい知識の習得とスキルアップに取り組んできた。

災害対策や避難訓練は、想定事象や必要な対応、そのための技術や要素、連携先等を考える必要がありそれらを考えたうえで訓練項目をセット化しその年の訓練メニューとして実行し経験を少しずつ積み重ねている。

 

海中転落者救助訓練

普通救命講習

● 活動の効果

平成29年度は、愛媛県によるシェイクアウトえひめ(東南海地震を想定した県下一斉避難訓練)に参画する形で、初めて地域住民と連携し災害対策訓練を実施、その後のアンケートでは防災意識の喚起と参加者の意識改革を確認することができた。

一年に一度の訓練であるが同じ内容でも反復して行う事が重要、有事の際にはその経験がいかされることになる考えのもと今後も活動を継続していく。

漁業デジタル無線機文字データ通信

油防除訓練