三浦アサリ研究会(愛媛県宇和島市)

● 活動項目

干潟等の保全

● 組織の構成

漁業者、三浦漁協(14名)(サポーター:愛媛県水産研究センター、愛媛県立宇和島水産高等学校)

● 地域の現状・課題

  • 三浦地区は、愛媛県南西部の宇和島市に位置しており、リアス式の海岸線となっている。
  • 沿岸の干潟では、昭和50年ころには年間10tのアサリ生産があったが、近年は資源量が著しく減少し、限られた場所でわずかにしか生息が確認できなくなった。
  • そのため、かつての豊かな干潟を取り戻すべく当該組織を設立し、干潟の保全活動に取り組んでいる。

活動場所の干潟の様子

● 活動の内容

  • 当該組織の活動は構成員のみでなく、地域住民、学校(小学校・水産高校)、行政(市・県)などが協力して行っており、地域・産・官・学の連携がとれた活動となっている。
  • 主な活動は稚貝等の沈着促進であり、ケアシェルや砂利を入れたアサリ採苗用の網袋や、食害防止用の被覆網を作成・設置している。
  • 日常モニタリングとして稚貝の成育状況調査を行っているほか、アサリの繁殖期にはアサリ浮遊幼生の密度調査を、年に1回はコドラート法により活動区および非活動区のアサリと食害生物の計数調査を実施している。
  • また、年に1回実施している報告会は、講演や研究発表を伴う勉強会を兼ねているほか、活動関係者には電子メール等で継続的な情報共有を行うことで積極的な協力体制を維持している。

被覆網の設置

採苗用網袋の設置

稚貝成育状況の調査

採苗用網袋の埋没防止対策

● 活動の効果

  • 赤潮や水害などの外的要因があったことも影響し、未だにアサリ資源量の回復には至っていない。
  • しかしながら、調査、対策実施、モニタリング、振り返りおよび次年度の対策決定という計画的な取り組みが行われており、今後の成果に期待したい。
  • また、多くの協力を得て実施されることで、地域住民への普及啓発や、学校への環境教育などの効果が得られていると考えられる。

水産高校が参加した活動の様子