● 地域の現状・課題
上ノ加江地区は高知県中西部にある中土佐町に位置し、土佐湾に面している。
地区では磯で行われる漁業が盛んであったが、近年の磯焼けにより、魚介類の成育場が失われた。そこで、カゴなどを用いた植食性魚類の除去を行ってきた。
また、10年ほど前から町の取り組みとして、観光漁業体験を行っており、好評を得てきた。
一方、漁師町である地区の小学生でさえ、海との関わりが希薄で、海のことをほとんど知らない状況であった。
子供の海離れや魚食離れを受けて、漁業者の藻場保全活動と、町の観光漁業体験が手を取り合い、植食性魚類の除去を兼ねた漁業体験、漁師料理による魚食体験の活動を実施することにした。
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漁業体験のために町が建造した木造船
● 活動の内容
平成25年度に当該組織を設立し、藻場の保全および教育・学習活動を行っている。活動の主な目的は藻場の保全だが、小学校に呼びかけて行う漁村文化の伝承をもう一つの大きな目的としている。
- 藻場の保全活動として、カゴを用いた植食性魚類の除去を行っているが、この活動も体験学習の一環として行っている。
体験学習
①講義(漁業や磯焼けについて)
②ロープワークや漁具作り体験
③カゴや建網による漁業体験(魚類除去)
④漁獲魚で「わかし汁」(漁師料理)作りと実食
これらの学習を通して、漁村の文化を体験してもらい、海の大切さや魚の味を教えている。
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カゴ漁体験(魚類除去)
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櫓こぎ体験
● 活動の効果
藻場の保全効果として、わずかではあるが藻場の被度が増加していた。
平成28・29年度の体験学習は年間に11~12回実施しており、それぞれ延べ400名ほどの小学生と保護者が参加して、海に親しみ、漁村の文化を体験してもらうことができた。
これまでは、主に地元の学校や山間部の学校を対象に活動してきたが、今後は都市部の学校の参加も図っていきたい。
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漁具作り体験
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「わかし汁」作り
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小学生の感想文