● 地域の現状・課題
志和地区は高知県南西部に位置し、土佐湾に面している。
地区の沿岸にはガラモ場が広がっていたが、10年ほど前からは磯焼けの状態が続いており、サザエやアワビ、トコブシなどの磯根資源が減少した。
現在、衰退した藻場の回復を遅らせる主な原因として、ウニ類の過剰な摂食が課題となっており、その対策が求められている。
磯焼けの海底でのウニ類の除去
● 活動の内容
平成25年に組織を設立し、食害生物の除去や母藻の設置をメインに行っている。
食害生物の除去:夏季には素潜りによりウニ類を採取・陸揚げし、秋~冬季には刺網によりブダイなど植食性魚類を除去している。
母藻の設置:スポアバッグ法により、ホンダワラ類の母藻設置を行っている。
除去したウニ類
魚類の除去(刺網)
除去した魚類
母藻の設置
● 活動の効果
ウニ類の除去は平成22年度より行っており、生息密度は着実に低下している。
海藻類の平均被度が11%(平成27年度)から46%(平成29年度)に増加し、活動の成果が現れてきた。
かつての藻場を回復するまでには至っておらず、活動の継続が求められる。フタエモクは増加しているが、より有用な種があれば活用を検討する。
ウニ類の生息密度の推移
海藻類平均被度の推移