● 地域の現状・課題
黒潮町は高知県南西部に位置し、土佐湾に面している。
地区の沿岸にはガラモ場やカジメ場が広がっていたが、近年衰退し、イセエビやアワビ、サザエ、トコブシなどの磯根資源が減少した。
現在、藻場の回復を遅らせる主な原因として、ウニ類の過剰な摂食が課題となっており、その対策が求められている。
海藻が減少した海底(近年ではサンゴが増加傾向にある)
● 活動の内容
平成25年に組織を設立し、ウニ類の除去や母藻の設置をメインに行っている。
ウニ類の除去:素潜りにより、ハンマーなどでウニ類を潰して除去している。
母藻の設置:カジメを対象にして、採取した母藻をスポアバッグ方式で設置している。
その他にも、底曳網による海底耗うんなど、干潟の保全活動も実施している。
ウニ類の除去
ウニ類
母藻の採取
母藻の設置
● 活動の効果
ウニ類の除去の成果が現れており、ホンダワラ類を中心とした海藻類が増加してきた。
ウニ類の除去のみを実施している地区で、海藻類の被度が37%(平成28年度)から44%(平成29年度)に増加した。
ホンダワラ類が認められるようになりガラモ場の回復の兆しは見られるが、カジメ場の回復は未だ図られていない。また、構成員の高齢化や後継者不足などの問題が生じている。今後は、取り組み内容や体制の強化を検討しながら、活動を継続する必要がある。
海藻類の被度の推移