みんなの海を育てる会(高知県土佐清水市)

● 活動項目

サンゴ礁の保全 他

● 組織の構成

漁業者、高知県漁協、(財)黒潮生物研究所、足摺宇和海国立公園大月地区パークボランティアの会、足摺海洋館 他(101名)

● 地域の現状・課題

・当該組織の活動エリアは、高知県南西部の土佐清水市にある竜串周辺の海域である。景勝地として知られる竜串には、県の天然記念物であるシコロサンゴの大群落をはじめ、豊かなサンゴ群集があり、海域公園に指定されている。

・しかし、平成16年頃よりオニヒトデによる食害が発生し、除去が行われてきた。湾口部を中心に除去を行っていたが、近年では湾内でも見られ、湾内全域の除去が求められている。

・また、浅所の藻場についても衰退が見られ、トコブシ等の磯根資源が減少している。

・これらのことを背景に、平成25年度に当該組織を設立し、サンゴ礁および藻場の保全活動を進めることにした。

みんなの海を育てる会の活動海域

● 活動の内容

・サンゴ礁の保全は、オニヒトデの除去とサンゴの移植をメインに活動している。

・オニヒトデの除去は魚バサミや手カギを用いて潜水で行っている。サンゴの移植は折れたサンゴを拾って使用することを基本とし、折れたサンゴが少ない場合は大型の群体から枝を折りとって採取し、サンゴの少ない岩上に水中ボンドで固定している。

・藻場の保全は、ウニ類を潰して除去している他、海底の石を起こして着生基盤の更新を図っている。

・他にも、地元小学生を対象として、竜串の海や保全活動に関する環境学習や、シュノーケリング体験を行っている。

オニヒトデの除去

サンゴの移植

● 活動の効果

・サンゴ礁の保全については、オニヒトデの除去を行っていることで、サンゴが維持されている。ただし、オニヒトデが減少する気配が無く、今後も根気よく活動を継続する必要がある。

・藻場の保全については、ウニの密度が減ってきたように感じるが、夏には海藻が衰退するため、明確な成果が分からない。4~5月頃に母藻の設置を行いたいが事業の開始期間に課題があり、秋に成熟する海藻の活用を今後検討したい。

・環境学習については、現在行っている小学校だけでなく、中学校、高校なども対象として、活動の拡大を図りたい。

移植したサンゴ

平成28・29年度のサンゴ被度の推移(大きな変化は無く、維持されている)